インタビュー 出版顧問/丸宝行晴

丸宝行晴さん インタビュー

世界に通用する人たちが、
真のモノづくりを追求している。
「この会社は素晴らしい」
という直感は、
間違っていなかった。

取材・執筆:保戸塚 彩

インタビュー 出版顧問/丸宝行晴

田中芳樹先生の誕生日会での衝撃的な出会い。

私は1957年に新潟県で生まれ、新潟高校、慶応義塾大学を卒業し、1981年から集英社に入社しました。そこから伝説の雑誌だった日本版PLAYBOYや週刊プレイボーイ、アウトドア雑誌などの雑誌の編集、その後は、少女向け小説を扱うコバルト文庫、雑誌コバルトを経て、ライトノベル系文庫レーベルであるスーパーダッシュ文庫を創刊。その後8年間にわたり編集長をしていました。それからジャンプノベルという文庫レーベルと部門を立ち上げ、文庫編集長とマンガ雑誌の編集長を兼任したり、その部長を務めた後、集英社を定年退職しました。

世界に通じる、誰もやっていない企画をやろうと考え続け、ライトノベルから日本初のハリウッド映画原作小説 『All You Need Is Kill』(桜坂洋著、2014年にトム・クルーズ主演で世界公開)を出版しました。 1000冊近い文庫を作り、ジャンプ系漫画雑誌、アニメ、ゲーム、映画など、エンタメに関わる出版に深く関わりました。40年、生涯一編集者でした。 尊敬する田中芳樹先生と仕事をさせて頂き、その作品群から多くを学びました。世界中の多くの作家、漫画家と直接仕事をしてきた経験の多さは、編集者として自信あります。

RRJと出会ったのは、『銀河英雄伝説』の作家である田中芳樹先生の誕生日会にて。たまたま同じテーブルに座っていた佐藤さんとお話しをさせていただきました。そこで感じたのが、「この人、すごく面白い!」「センスがあるな」ということ。ぜひ佐藤さんがいるような会社で仕事をしたいものだと真剣に思いました。その後、同じ誕生日会に参加されていた橋満さんともお話しさせてもらったところ、「この会社は素晴らしい」「この人たちと仕事をしたい」「この会社でなら気持ちよく良い仕事ができるはず」と思いました。そしてその場で、「RRJという会社に魅力を感じたので、ぜひ仕事をさせてください」とお話しさせてもらったんですよね。

初対面で感じた、ロックンロールの精神。

ほとんど直感でしたが、自信がありました。私は前職で2万人以上の人と会い、世界をまたにかけて取材をしていた経験があった。その中で、初めて会ったRRJの人たちに、ものすごい“気持ちの良さ”を感じたんです。特に橋満さんと出会ったときは、「あんな社長はいない」と思うくらいの衝撃を受けました。なぜなら、彼はかっこをつけないし、自分を過大評価しない。それに嘘がない。自由でロックンロールなんですよ。ただし何でもOKというわけではなく、責任の伴う自由があって、なおかつそこに自分の価値観がある。普通、社長というとかっこつけたがるんですよ(笑)。かっこいいジャケットを来て、かっこいい車に乗って、横文字のビジネス用語をしゃべって。そういう見せかけのかっこよさではない、真の人間力を橋満さんに感じました。

私は前職で数えきれないほどたくさんの人たちと仕事をしていましたが、名刺を見ても「この人だ」と覚えている人は100人くらいしかいませんでした。そのことに気づいたとき、愕然としたんですよね。これからは、記憶に残る人たちとコミュニケーションを取って、モノを作りたい、と思った。そんなところにタイミングよくRRJと出会ったわけです。

RRJスタッフの魅力は、社外の人にも伝わっている。

すごく大げさに聞こえるかもしれないけど、橋満さんも佐藤さんも、普通に世界に通じる人だと思います。「普通に」というのがとても大事なのですが、決してかっこつけていないし、自分を過大評価しないところがすごく気持ちよくてワールドスタンダードな人たち。とてもいい出会いだったと思います。

先日、RRJのオフィスを訪れたときに、一人の女性とエレベーターが一緒になりました。恐らくビル清掃の方だと思うのですが、詳しくは分かりません。「RRJという会社のスタッフの人たちは本当に素晴らしい」「私はこんな会社を見たことない」といたく感動した口調で私に話しかけてくれたんです。エレベーターに乗っているわずか数十秒での会話だったので、詳しい話は何にもできませんでしたが、私は「大変良く分かります、みんな優しくて素敵な人たちばかりだと思います」と答えました。ちょっと接しただけでも、人に“素敵だなぁ”と思わせてしまうところがRRJのスタッフの魅力だと思います。

大きなドーナツよりも、小さなパンケーキを作ろう。

出版社には、いろんな作家さんや漫画家さんが作品を持ち込んできます。誰が大ヒットするかというのは簡単に予言することはできないし、どの編集者もはっきりとは分からない。じゃあどこで見抜くかというと、「この世界で長く仕事していけるかどうか?」というところです。それは少し話しただけでも分かります。自分の好きなことについて30分話せない人は、モノを作り続けるのは難しい。つまり、RRJと初めて出会ったとき、この会社は大企業になるかは分からないし、革新的な技術を持っているかどうかは分からないけれど、根っこのある核のあるものを作る会社だ、というのは分かった。それが一番大事なことなんです。

イギリスの編集者の言葉で、「大きなドーナツを作る必要はない。小さなパンケーキを作ればいいのだ」というものがあります。これは、核のあるものさえあれば、大きなものを作る必要はないんだという意味です。もちろん利益がないと人を雇い続けられませんが、売上があるから、大企業だからといって、それが正しいというわけでもないんですよね。

私はRRJで出版顧問を務める中で、今後どのように会社と関わっていきたいかというと、新卒採用などをはじめ、もっともっと若い人たちと接点を持ちたいと思っています。私は若い人のことを、期待しているし信じているんですよ。その中で、RRJという会社の発展を見据えていけたらと考えています。

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